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口コミの高評価だけ表示、規制に触れる基準3つ

著者: CVR改善ラボ 運営チーム · 2026/7/24

口コミの高評価だけ表示、規制に触れる基準3つ

口コミの中から評価の高いものだけを選んで表示すること自体は、必ずしも法律違反ではありません。ただし、その選び方によって実際の評判とかけ離れた良い印象を与えていれば、景品表示法の「優良誤認表示」に問われるリスクが生まれます。さらに、AIによるCVR(コンバージョン率。訪問者のうち購入や問い合わせなどの成果に至った人の割合)診断ツール「CVR改善ラボ」が実際の診断で見てきた限り、星5の口コミしか並んでいないレビュー欄は、法律とは別の理由で読み手から疑われ、購入をむしろ遠ざけています。この記事では、法律面でどこまでがグレーで何が明確にアウトなのか、そして信頼設計として何を直せばよいのかを、自分のサイトでそのまま確認できる手順として並べます。

そもそも何が問題なのか ― 「法律のリスク」と「信頼のリスク」は別の話

低い評価の口コミを非表示にすれば購入率が上がるはずだ、という直感は根強くあります。実際、担当者に話を聞くと「クレームだけ隠して星の平均を上げれば、それだけで数字は良くなる」と考えている人は少なくありません。ここで見落とされやすいのが、この判断には実は2つの別々の軸があるという点です。

  • 法律の軸: 景品表示法が禁じる「実際より著しく優良と誤認させる表示」に当たるかどうか
  • 信頼設計の軸: 法律の問題ではなく、読み手が「本当だろうか」と抱く疑いの問題

厄介なのは、「法律さえクリアすればあとは自由」という思い込みです。仮に法律に触れていなくても、星5だけが並ぶレビュー欄は読み手の疑いを招き、結局CVRを下げます。

判断基準1: 実際の評価分布と表示のズレが大きくないか(景品表示法)

景品表示法は、実際のものより、あるいは競合よりも著しく優れていると一般消費者に誤認させる表示を「優良誤認表示」として禁じています。ここで押さえておきたいのは、口コミの一部を選んで見せる行為そのものが、この規制の対象として名指しされているわけではないという点です。問題になるのは、その選別の結果、実際の評判と表示から受け取る印象のあいだに大きな乖離が生まれた場合です

自社の運用がどちらに近いか、次の観点で照らし合わせられます。

観点 リスクが高い運用 リスクが低い運用
表示の選び方 平均★3.2なのに表示は★5のみ 実態に近い★4〜5中心の抜粋
低評価の扱い 見つけ次第、個別に削除 件数に含めたうえで表示
母数の明示 件数を隠し星の絵柄だけ並べる 「◯件中の抜粋」と母数を明記
削除基準 恣意的、その場の判断 規約違反の投稿のみ、基準通り

判断の目安は、「一部を抜粋している」ことそのものではなく、その抜粋によって一般消費者が受け取る印象が実態から著しく離れているかどうかです。

優良誤認表示に該当しやすい運用としにくい運用の比較 図1: 母数と削除基準を明示できるかどうかが、リスクの高低を分ける

無料でCVR診断する ― 自社のレビュー欄も、この目でチェックされたらどう見えるでしょうか(メール登録不要)。実際の画面を見て、評価の見せ方にズレがないかもあわせて確認します。

判断基準2: 「口コミを選ぶ」と「口コミを頼む」を混同していないか(ステマ規制との違い)

2023年10月、消費者庁は「一般消費者が事業者の表示であると判別することが困難な表示」を景品表示法の規制対象として指定しました。いわゆるステルスマーケティング規制です。ニュースで見聞きした担当者ほど、「うちは口コミを絞り込んで表示しているだけだから関係ない」あるいは逆に「口コミに手を加えるのは全部アウトなのでは」と、どちらかに極端に振れがちです。

実際にこの規制と、判断基準1の優良誤認表示は、対象にしている行為が異なります。

行為 該当する規制
低い評価を表示しない 優良誤認表示(判断基準1の話)
星の並び順を工夫する 優良誤認表示(判断基準1の話)
対価を払って投稿を依頼 ステマ規制
依頼した投稿に広告表示をさせない ステマ規制
社員や関係者が一般客を装い投稿 ステマ規制

既存の自然な投稿の中から一部だけを選んで見せる行為は、ステマ規制が直接対象にしているものとは別です。 混同したまま「規制はクリアしている」と思い込むと、判断基準1の乖離のほうを見落とすことになります。

景品表示法の優良誤認表示とステマ規制、それぞれが対象にする行為の違い 図2: 二つの規制は対象にしている行為が異なる。両方を個別に確認する

確認手順は、口コミの投稿を依頼する際に金銭や商品を提供しているかどうかをまず洗い出すことです。提供している場合は、その投稿に広告である旨が明示されているかを見ます。提供していない自然な口コミについては、この規制の対象ではなく、判断基準1の乖離のほうを見ることになります。

判断基準3: 法律をクリアしても、星5だけはCVRで損をする

ここまでの2つは法律の話でした。ここからは、法律に触れていなくても起きる問題です。CVR改善ラボが実際の診断で口コミ欄を見るときの原則のひとつに、「レビューは負の情報も含めて見せたほうが信頼される。星5のみのレビューは逆に疑われる」というものがあります。低い評価が1件もない一覧は、読み手にとって「都合の良い部分だけ集めたのだろう」という疑いの対象になり、かえって購入の後押しにならないのです。

架空の石けん販売サイトの商品ページで考えてみます。星5の口コミが32件並んでいるだけの欄と、平均4.3・星1〜3の声を含む32件のうえで、低評価にだけ事業者からの返信が添えられている欄では、後者のほうが「実際に運営している会社が見ている」という実感を読み手に与えます。

商品ページのレビュー欄。星5のみの表示と、全星表示+返信を可視化した表示の比較 図3: 低い星への返信が見えるレビュー欄のほうが信頼される

自社の商品ページを開いて、次の2点を確かめてみてください。

  • 星1〜3の口コミが一件も表示されていないか
  • 事業者からの返信が見える形になっているか(特に低評価への返信があるか)

どちらも当てはまる場合は、改善の余地があります。口コミ以外の信頼要素まで含めた点検は、サイトの信頼性を高める要素でもまとめています。

まとめ: 今すぐ確認できること

「高評価だけ表示する」問題は、実は一つではなく二つの問いでした。実際の評価分布と表示のズレが大きくないか、そして口コミを選ぶ行為とステマ規制が対象にする行為を混同していないか――ここまでが法律の軸です。もう一つ、法律をクリアしていても、星5だけのレビュー欄はそれ自体が信頼を損ない、CVRを下げます。 個別の運用が実際に優良誤認表示に当たるかどうかの最終判断は、自社の表示の具体的な実態によって変わるため、迷う場合は専門家に確認するのが確実です。CVR改善全体の考え方はCVR改善 完全ガイドでも扱っています。

3つの確認手順のうち、今日すぐにできるのは判断基準3です。自社の商品ページを開いて、低い星への返信が見える形になっているかを確かめてみてください。

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